「板書はけっこう時間がかかるものです。(ICTの活用で)先生の説明時間は半分ほどに減り、その分をグループワークや演習に回せます」と細田校長。
ALは、ICT環境の整った学校だけではなく、各地に広がる。
「月刊高校教育」などの雑誌や書籍を出版する「学事出版」編集部の二井豪氏は「最近は書名にALとつくだけで、すぐに重版がかかります」と話す。今は空前のALブームだという。
リクルート進学総研によると、AL型授業に取り組む学校は、先進的な科学技術教育の「スーパーサイエンスハイスクール」や、グローバル教育を進める「スーパーグローバルハイスクール」など数多い。島根県立隠岐島前(どうぜん)高校、宮崎県立五ケ瀬中等教育学校など、都市部以外でも優れた取り組みの高校があるという。
小林浩所長は「グローバル化やICT化の進展で、今ある仕事の半数は入れ替わると言われます。そんななか、大学も『入学の国』から『卒業の国』へと変わることが求められているのです」と指摘する。
高校と大学の教育が一体的に改革されてこその「高大接続改革」。両者が結びついて変わろうとする動きが、現場で芽生えている。
【高大接続改革の主な内容】
(1)高校教育改革
・学習指導要領を抜本的に見直す
・アクティブ・ラーニングの視点で指導法を改善する
・「高校基礎学力テスト(仮称)」を2019年度から始める
(2)大学入試改革
・センター試験に代わる「学力評価テスト(仮称)」を20年度から始める
・個別大学が多面的・総合的な選抜方法をとる
(3)大学教育改革
・「卒業認定・学位授与」「教育課程の編成・実施」「入学者受け入れ」の3つの方針をつくる
・大学に対する認証評価制度を改善する
(文部科学省の資料から編集部作成)
※週刊朝日 2017年2月24日号より抜粋