泥沼の闘いが続く豊洲市場問題で、都議会は最高責任者だった石原慎太郎元都知事(84)の参考人招致を決定。石原氏も「喜んで応じる」と応酬し、小池百合子都知事(64)との頂上決戦にも意欲を見せる。本誌は“失政”の証拠となる極秘文書を入手。徹底分析した。
小池知事は2月10日、石原氏の都議会での参考人招致について聞かれると、こう突き放した。
「『記憶にありません』と逃げる姿勢をみせることは、それも国民の方がしっかりご覧になるということになるだろうと思います」
一方の石原氏は報道陣に対し、「小池さんに直接伝えたいこともある」と、小池氏との“直接対決”にも言及。両者がメラメラと闘志を燃え上がらせる展開になっている。
石原氏は“失政”の責任をとらされるのか。本誌は、その重要な証拠となる「極秘資料」を入手した。資料は2003年4月から05年5月にかけての都と東京ガス(以下、東ガス)の交渉記録だ。豊洲への市場移転決定を受け、土壌汚染対策を巡り、両者が交渉した会話が詳細に記されている。
会話からは交渉が難航した様子がうかがえる。都が求める汚染処理は東ガスがそれ以前に作成していた計画よりも厳しいもので、東ガスは強い口調で都にこう反論している。
<市場に土地を売却するまでに全部処理をするのは難しいとの話をずっとしてきたし、都もそれで了解していると理解している。つまり、売却時には汚染土壌が残るということである>
<覆土していれば安全であり、都の関係者もそれを納得した上で合意文書を交わしているはずだ>(03年4月3日 東ガス)
驚くべきことに、東ガスの言い分では「売却時に汚染土壌が残る」ことを、都も了解して売買に合意したのだという。汚染処理は「覆土」、つまり汚染土の上に新たな土の層をかぶせてフタをすれば良いという“合意文書”があったとして、都の求める追加の汚染処理を拒否している。その根拠は、石原氏側近の浜渦武生副知事(当時)が東ガスと01年7月に交わした計2枚の文書(以下、「浜渦合意」)。これを盾に東ガスはこう主張する。