放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は、女優から人気に火がついたというリップグロスについて。
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女性読者の皆さんは、「化粧直し」と聞いて、まず何を思い浮かべるだろうか。
時と場合によって、直すパーツも異なれば、必要な化粧品も違ってくるとは思うが、テレビ出演をしているときの化粧直しはメイクさん任せ。CM中や、ワイプをきらないときのVTR中などに、メイクさんが飛んできてくれるのだ。
まずしてくれるのは、白粉を含ませた大きなパフで鼻や額のテカりをおさえること。女性のみならず、男性の演者さんに対しても頻繁に行われる「直し」だ。
が、最近、それよりも多いと感じているのが「グロス、足しましょうか?」というメイクさんからの申し出。もちろん、女性の演者に限ってなのだが、口紅ではなくグロスを片手にしたメイクさんが本番中、何度も来てくれるのだ。
乾燥しているスタジオ内では、飲み物が不可欠。女性演者用には、ストローを挿して、口紅がとれないような気遣いをしてくれるのだけれど、冬場はコーヒーカップで温かいお茶という場合が多く、口紅もグロスも落ちてしまいがちだ。
「適度にグロスが施された唇は、カメラ映りがいいうえ、顔がパッと明るくなって、若々しい雰囲気に見える」とは、メイクさんの弁。
というワケで、頻繁にグロスを足しに飛んできてくれるのだ。
男性は真っ赤な口紅を施したセクシーな唇を好むかと思いきや、「柔らかでプニッとしている」「ふっくら」「ほんのりピンク」そして「潤いがある」など、あくまでもナチュラルで美しい唇が理想なのだとか。
それは若い女性への理想でしょ?と、ひがんでいたら、そうでもないらしく、年配女性とて同様らしい。
年齢が表れるパーツといえば、手の甲、首筋、膝などが代表的だが、唇も、年を重ねると乾燥やくすみ、シワ、血色の悪さなどのトラブルが出がち。確かに年配女性とて、潤いがあって、ふっくらした唇を求めているものだ。
「オー・セクシー~」は、上品なラメとナチュラルな艶赤で、文字通りセクシーな血色感を演出してくれる。コラーゲンや蜂蜜、ローヤルゼリーなどの美容成分が配合されているので、リップトリートメントとしても活躍する一本二役。ポーチではなくポケットに忍ばせておきたいグロスの名品だ。
※週刊朝日 2017年2月17日号