10歳になられた悠仁さま。美智子さまの父・正田英三郎氏のいとこである陽一氏(89)が、悠仁さまのやんちゃなエピソードを明かした。
* * *
昔、正田英三郎氏の家とわが家は葉山に別荘を持っていたので、夏になると葉山に集まりました。くるくる巻き毛の美智子ちゃんと、まっすぐな髪をおかっぱにした、いとこの紀子ちゃん(俳人の柚木紀子)が海岸で遊ぶ姿を、よく覚えています。
皇室にお入りになってからも、正田家の親族が年の終わりに開く「いとこ会」には足を運んでくださる。互いに近況を話したり、文学のお話をなさることもあるようです。
私はいま、体を悪くして入院しているので、平成28年の「いとこ会」には参加できない、と他のメンバーに伝えました。すると、皇后さまからお見舞いのお電話が、病室にいる私の携帯電話にかかってきたのです。
「お見舞いに伺うことはかないませんが、どうぞお大事になさって」
お気遣いに、胸が熱くなりました。
私は、家畜の遺伝について研究していたので、秋篠宮殿下とは、研究の会合などでお会いしました。中国の雲南省の少数民族が住む村への調査旅行にご一緒した際は、殿下はニワトリの原種を、紀子さまは村に伝わるクジャクの舞など鳥に関わる踊りを熱心に調べていた様子を記憶しています。
数年前、沖縄県にある「沖縄こどもの国」で、土地の在来家畜を我々研究者が見る機会がありました。秋篠宮ご夫妻とご一緒に佳子さまや悠仁さまもいらしていました。
沖縄の古民家を復元したコーナーの家畜小屋の前で、悠仁さまはしゃがみ、琉球犬の背に抱きついたり、牛に笑顔で牧草をあげたりなさっていました。そのうち、研究者のひとりが、大きなヤギを連れてきました。迫力のあるヤギでしたが、悠仁さまは怖がる気配もなく、ぴょんとヤギの背中に飛び乗ってしまった。やんちゃな姿に、紀子さまも佳子さまもほほ笑み、その場は笑いに包まれました。いい思い出です。
※週刊朝日 2017年1月6-13日号