「現在、監督と選手のコミュニケーションが、お世辞にもうまくいっているとはいえない状況です」
この時点の監督交代で、状況は好転するのか。前出のセルジオ氏は語る。
「代えることで、選手の気持ちがリセットされます。でも、(監督人事に関わる)西野朗技術委員長にハリル監督を解任できるのか。Jリーグなどの監督を歴任し、ずっと“切られる”側の人間だった。切る決断をしたことがないのです」
なんとも綱渡りの最終予選だが、ハリルホジッチ監督については、予選を突破しても監督交代の可能性があると上野氏は言う。
「過去に本大会出場を決めてから監督を交代したケースは海外ではある。選手とのコミュニケーションがこれ以上に悪くなるなら交代は考えられます」
確かに、10月のイラク戦では勝ち越しゴールを決めた直後、歓喜に沸く選手の輪にハリルホジッチ監督は入れずにいた。選手との関係性がうかがえる一幕だった。上野氏は代わりの候補も挙げる。
「ガンバ大阪の長谷川健太監督や鹿島アントラーズの石井正忠監督なら、日本代表の課題である守備戦術の構築を指導できます」
ハリルホジッチ監督の未来は厳しいようだ。
※週刊朝日 2017年1月6-13日号