主役の座は譲らない? (c)朝日新聞社
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「ちょっとそれは失礼なのではないですか」

 12月2日、記者会見で、小池百合子・東京都知事は語気を強めた。

 その3日前、2020年東京五輪・パラリンピックの開催経費を見直す国際オリンピック委員会(IOC)、東京都、大会組織委員会、政府の4者協議が開かれたが、小池氏が頼りにしてきた都政改革本部の五輪調査チームの提案に基づいた会場の見直し案は、「空振り」と表現していいほどの結果となり、小池氏の周辺には敗色ムードが漂っていたはずだった。

 そして先の記者会見で、「大山鳴動すれども鼠一匹」「ある種の挫折」といった質問が出た際に強い調子となったわけだが、「大きな黒い頭の鼠がいっぱいいることがわかったではないですか」と、「鼠」に引っかけ、物をかすめ取る人のたとえを用いて切り返し、結局、各メディアがこぞってこの場面を報じることとなった。

 その小池氏は、会見の前日の1日には、再び“小池劇場”の主役を演じた。小池氏が就任後2度目となる都議会が開催。所信表明で、都議会の「聖域」とも言われ、一触即発の火薬箱ともされてきた、200億円の「政党復活予算」の廃止を明言し、自民党都連との第2ラウンドの攻防が始まった。

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