ゴージャスなプロポーションに、セクシーな表情。加えて、ズバズバものを言う大胆さで人気を博す俳優・タレントの杉本彩さん。ドラマにバラエティーにと、多彩に活躍する彼女を、映画監督・オフィス彩代表取締役の松山禎秀さんは長年、公私にわたって支えてきた。しかし、2人が出会った当時、妻には夫がいた――。
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夫:結婚したのは、震災の年。2011年でした。
妻:大災害の後の自粛ムードで、なんとなく公表するきっかけを失って。ようやくその翌年、披露宴をやったんです。
夫:マスコミからは「感謝婚」なんて書かれて。
妻:まあ、この人にはさんざん、お世話になりましたから(笑)。
夫:僕、映像の制作会社のアシスタントプロデューサーをしてたんです。
妻:撮影場所で、何やら関西弁で大声でしゃべってる人がいて。何者なの?って思ってた。
夫:もともと彼女の大ファンだったんです。初めて生で見て、うわ! ほんとにきれいだな、と。衝撃を受けました。そこからはもう、何とかこっちを向いてもらおうと。必死でした。
妻:必要もないのに、周りをうろちょろ。おかしな人だなあと。で、そのお仕事が終わって、2カ月ぐらいしたら、また同じ会社から出演依頼があって。そんな頻度で同じ会社からオファーがあるなんて、めったにないことなんです。
夫:独断で、僕がキャスティングしました(笑)。
妻:私が30ぐらいでした。彼の会社に所属していた若手俳優の一人が、私にすごくなついてきて……この人、それに便乗したの!
夫:そりゃもう、使えるもんは、何でも使わな。
妻:一緒にご飯行きましょうか、って言ってたら、横から「はいはーい! 僕も行きまーす!」って(笑)。
――努力の甲斐あって(?)、何とか「お友達」に格上げされた夫。だが当時、妻には夫がいた。
妻:ちょうど、仕事も家庭も大変なときだったんです。私の母が重度のうつ病になってしまって、京都から私の家へ引き取った。けれど、私は母と夫の板挟みに……。とにかく我慢、我慢の日々でした。
夫:仕事に出れば、きれいで気丈なキャラクターを演じなきゃならないしね。
妻:そんな心の隙間に、この人がぐいぐい入ってきて。
夫:そんな、寄生虫みたいに言わんでも……。