朝ドラ「とと姉ちゃん」では白髪の“美しすぎる祖母”として話題をさらった大地真央さん。作家・林真理子さんとの対談では、その裏話を披露してくれました。
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大地:滝子(NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で大地さんが演じた、主人公・常子の祖母)の白髪はいかがでしたか?
林:私、いろんなところで「祖母にしては美しすぎる」って書いたんですけど、実物がこんなにきれいなら、しょうがないですもんね。でも、どうして大地さんがおばあさんの役を引き受けたんだろうって、みんなが思ったんじゃないですか。
大地:私、今年還暦を迎えまして……。
林:えっ、ウソ!
大地:滝子という役も60歳だったので、これも一つのご縁かなと思って、お受けしたんです。
林:でも、当時の60歳といったら、本当に「おばあさん」ですよね。
大地:滝子はいわゆるキャリアウーマンのはしりなんですね。300年の歴史がある製材問屋の女将で……、あ、200年でした(笑)。うちの実家が300年なもので。
林:淡路島のご出身でしたよね。
大地:そうなんです。それで、女性で製材問屋の職人たちを取り仕切る人は、現在でもいないそうなんです。滝子はそういう「特別な人」だと説明を受けました。プライドが高くて、バイタリティーがあって、常子に非常に大きな影響を与えた人物である、と。外回りの営業もしているから身だしなみはきちんとしなくちゃならない。ただ、滝子のメイク自体は、ベース塗って、眉毛を整えて、ちょっとリップ塗るだけで、あっという間なんです。当時は口紅といえば赤だったそうですが、赤い口紅だとお化粧してる感じが出すぎてしまうのでそれはせずに。私としては、ほとんど何もしないで出るくらいの感覚だったんですよ。
林:ご自分ではできる限り老けたつもりだったかもしれないけど……。
大地:番組からは「いつも頑張ってる人でいてほしい。おばあさんおばあさんすることは望んでいない」と。もちろん、若く見せようとも思いませんでしたが。髪は「真っ黒か、真っ白か。できれば白でお願いしたい」と言われたので、初めて白髪に挑戦しました。