カラフィナ梶浦由記プロデュースにより2008年1月「oblivious」でデビュー。デビュー以来リリースされたオリジナルアルバムはすべてオリコンウィークリーチャートトップ10入り。昨年の日本武道館2days公演は即日ソールドアウトに(撮影/写真部・岸本絢)
カラフィナ
梶浦由記プロデュースにより2008年1月「oblivious」でデビュー。デビュー以来リリースされたオリジナルアルバムはすべてオリコンウィークリーチャートトップ10入り。昨年の日本武道館2days公演は即日ソールドアウトに(撮影/写真部・岸本絢)

 上海で開催されたイベント「上海之春国際音楽祭」に招待された、初の日本人ポップスアーティスト・カラフィナ(Kalafina)。9年前、とあるオーディションで3人は巡り合う。アニメやゲームの分野で活躍する音楽家の梶浦由記さんが劇場版アニメ「空の境界」の音楽を担当、そのオーディションで彼女たちの声に惚れ込んだのだ。

「梶浦さんの手がける楽曲は、多重録音でハーモニーも複雑。歌詞には造語も多いし、とにかく難度が高いんです。だから最初は、ライブで歌うという前提では作られていなかった。ただ、3人でのアルバムを制作することになったときに、作品じゃなく、私たちの声にフォーカスした歌も生まれて、イベントで披露する機会にも恵まれるようになって」

 そんなふうにデビュー当時を振り返るKeikoさん(写真中央)は、小さい頃は歌って踊れるアーティストを目指していた。それが、中学生のときにたまたま耳にした尾崎豊のライブ音源に衝撃を受け、「ボーカリストになりたい」と思うように。

「尾崎さんの歌声は、生身の人間らしさが出ていて、歌が、心に突き刺さるような迫力があったんです」

 合唱団やゴスペル、声楽と、クラシック系の勉強を積んだWakanaさん(同右)は、梶浦さん作の楽曲を初めて聴いたとき、“歌の厚みがすごい”とビックリしたという。

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