国民的アイドルグループ「SMAP」の年内解散が報じられた。紅白への参加や解散コンサートの告知もなく、5人そろわないまま幕切れとなる可能性が出てきた。コラムニストの山田美保子氏がファンの思いと、SMAPがすべきことについて率直な意見を寄せた。
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解散という最悪の選択を聞いて驚きました。デビューから25年にわたって、SMAPを応援し続けてきたファンは落ち込んでいます。紙切れ一枚での発表は、長い間応援してきたファンらに対し、ありえない方法だと思いました。
決断にいたるまでには、計り知れないほど多くの苦悩と葛藤があったのだと思います。だからそれを受け入れ、応援したい気持ちもあります。メンバーはそれぞれ活躍できる道が十分にあるのですから。
中居君は日本でも指折りのMCですし、冠番組にもSMAPが入っていない分、今までの路線を貫きやすい。吾郎ちゃんは独自の世界観が確立し、放送作家目線で見ても一番おもしろいキャラクターなのでは。脇役でも存在感を発揮するし、映画・ドラマでも悪役に挑戦し、演技の幅を広げています。草なぎ君は隠れた“視聴率男”で、幅広い役柄をこなし、俳優として独自のポジションを築けると期待します。香取君はコンサートの演出を担当するほどのセンスがあり、プロデューサーやデザイナーもいけるという強みがあります。木村君には唯一無二の強い個性と存在感があります。俳優としてはどうしても主役ばかりが続いていますが、今後は役柄の幅にも期待したい。
今、SMAPのCDが飛ぶように売れていますが、これはファンがSMAPにプレッシャーを与えずに応援できる唯一の方法だから。ファンは「何とか紅白歌合戦にだけでも出てほしい」という思いで、必死に購買運動を続けています。
解散まで残り4カ月となると、ドームコンサートなどは難しいでしょう。メンバーは、この4カ月の間に考え直し、せめてもう一度、5人そろって歌う姿を見せてほしい。それが、25年間応援し続けたファンへの礼儀ではないでしょうか。
※週刊朝日 2016年9月2日号