(※イメージ)
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 22日の閉会式まで熱戦が繰り広げられる、リオデジャネイロ五輪。今大会で採用となった新種目、7人制ラグビーを紹介しよう。

 ラグビーの15人制と、今回採用された7人制との違いはどこにあるのだろう。現役時代に神戸製鋼で活躍し、アジア選手権に出場した元ラグビー選手の大畑大介氏(40)に見どころも含めて聞いた。

──ラグビーで7人制と15人制の違いは。

大畑:スピード感です。ラグビーは格闘技と球技の二つの要素があるんですが、15人制は格闘技の要素が強い。7人制はより球技の要素が強く、攻防やスピード感が魅力の一つです。

──選手の動きや使う筋肉に違いはありますか。

大畑:だいぶ違います。体もつくり替えないともたない。15人制が短距離走なら、7人制は中距離走。常に動いている状態が続くのが7人制なので、より回復力が求められるんです。15人制の選手が入ってすぐ活躍できるほど簡単ではありません。

 15人制は、陣取り合戦、より前に進んでいくことが重要ですが、7人制の場合は全方位。絶対的に走られてはいけない選手にボールが渡らないようにしてトライされなければいいんです。

──代表チームの特徴を教えてください。

大畑:男女とも組織力に重きを置いています。チーム内のルールが重要視される。隣の選手同士のかけ合いで、1+1が2ではなく3になるようなメンバー編成です。長い時間を共にし、成熟度に重きを置いています。

 とくに女子は限られた選手たちの中からメンバーを組み、長期間にわたってチームづくりをしてきました。直前合宿でわかったのは、ケガ人がいてもメンバー編成を維持しているという点です。一緒にやってきたチームで臨む、あなたたちに全てを託すというメッセージを感じます。

──注目の選手は誰でしょうか。

 キャプテンの桑水流裕策(くわずる・ゆうさく)は経験値がある。常にボールを持った選手が注目されますが、献身的なプレーができる。この一年でぐっと成長した合谷和弘も守備の懐が深くなり、ゲームへの理解度も上がった。絶対的な存在はレメキ・ロマノ・ラヴァ。将棋に例えると、一人で飛車・角です。福岡堅樹(けんき)は日本のジョーカーです。相手の足が止まった後半最後とか、3試合目とかに走らせれば、一発でボーン、ズバーンとトライを決める。

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