女子では、山口真理恵がポイントで、トライをとれる選手。いかに彼女にスペースを与えられるか。冨田真紀子は体が非常に強い。7人制はコンタクトスポーツでもあるので、ドンと衝撃を与えられると精神的な優位さも出る。大黒田裕芽(ゆめ)、小出深冬(みふゆ)も経験値が豊富でアタックのキーになる。女子選手の経歴もユニークです。キャプテンの中村知春はバスケットボールからの転身。違う扉を開け、こんなに素晴らしいステージがあるということを見せられるモデルケースです。
──1次リーグで対戦する相手国の特色を教えてください。
大畑:男子プールCのニュージーランド(NZ)は全員がエースランナー。どこからでも仕掛けられる。ただ変な小細工はしないので、逆にやりやすさはある。イレギュラーな戦いをするのはケニア。のると滅茶苦茶に強いのですが、最初に先制すれば流れは日本に来ます。女子が入ったプールCのブラジルはホームグラウンドなので、影響はありますが、チャンスはある。
男女とも対戦するイギリスにもつけ入る隙があります。EU離脱やスコットランドの分裂騒動もある中で同じチームになっている。ラグビーではライバル関係なので、その辺に隙あり、です。男子はイギリス、ケニアで勝ち星を狙うでしょう。NZのような強豪国は大会後半の決勝トーナメントを照準に調子を上げてくる。日本の初戦はNZ。コンディションを上げてくる前に、日本はエンジン全開で戦うことで勝機につなげたいです。
──ずばり展望は。
大畑:とにかく先行逃げ切り。試合時間が短いため、番狂わせも起こります。リオでは男女とも強いチームに初戦であたりますが、その後はそれほどでもない。初戦で手ごたえがつかめれば、リズムに乗れます。サッカー、ラグビーのW杯でもわかるように、日本人は初戦が大事なんです。
最低1勝すれば、決勝トーナメント進出の可能性もある。希望を込めて、男女とも予選は2勝1敗で決勝トーナメント進出。厳しい戦いになると思うが、メダルを狙ってほしい。ただ15人制のW杯で南アフリカに勝っていますから。僕も南アに勝つとは100%思っていなかった。いい意味で、期待を裏切ってほしいですね。
※週刊朝日 2016年8月19日号