“大人の分別”をわきまえているはずの中高年が、なぜ同窓会不倫にのめり込んでいくのか(※イメージ)
“大人の分別”をわきまえているはずの中高年が、なぜ同窓会不倫にのめり込んでいくのか(※イメージ)
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 夏の風物詩といえば、かき氷、海水浴、花火、甲子園を挙げる昭和世代が多いだろう。だが、ここ最近は「同窓会」も仲間入り。お盆休みの懐かしい再会は、中高年世代の“男女の社交場”だ。時には家族を巻き込む“危険な恋”へと発展する。45歳を迎えると、その兆候が表れるようだ。

 小中高のクラスやクラブ・サークル活動の仲間、そして大学のゼミなどでかつて一緒に過ごした友人や知人、先輩、後輩ら、懐かしい面々と再会する同窓会。出会いが少なくなる中高年世代には“男女の社交場”でもある。

 同窓会で再会したバツイチ同士が同窓生に祝福されてゴールインしたり、シングルマザーと独身男性の縁を同窓生が取り持ったりと幸せな結末もある。一方で同窓会をきっかけに、大人の恋愛関係に発展するカップルも少なくない。中には家族を巻き込む泥沼不倫もある。“大人の分別”をわきまえているはずの中高年が、なぜ同窓会不倫にのめり込んでいくのだろう。

 東海地方在住の経営者・瑞恵さん(仮名・52歳)は、7年もの間、同窓会不倫を続ける。27歳で地方に嫁ぐと、義理の両親に請われ、経営者になった。営業を担う夫は家を空けることが多く、夫婦のすれ違いが続く。夫の浮気に気づきながら黙認していたのは、一人娘のためだった。

「娘が中学に入学した43歳の夏に、初めて同窓会に出席しました。お盆休みに帰省したら同窓会の通知を見つけ、たまらなく同窓生に会いたくなったのです。結婚してからずっと頑張ってきたその一方で、何だか空しくて」

 25年ぶりに高校のクラスメートに再会するやいなや、すぐに18歳のころに戻った。思い出を語るうちに、25年間の年月が一瞬のうちに通り過ぎた。

「あのころの青春が、今でも生き生きと光り輝いているような錯覚を覚えました」

 高校時代の憧れが蘇ると甘酸っぱさが広がり、やがてその憧れにも既に手が届かなくなったとわかると、切なさが押し寄せる。同窓会が終わるころには、現実に引き戻されそうになった。

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