石原慎太郎氏(右)と猪瀬直樹氏 (c)朝日新聞社
石原慎太郎氏(右)と猪瀬直樹氏 (c)朝日新聞社
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 舛添要一氏が辞任したことで行なわれる都知事選。しかし、とにかく選挙にはカネがかかる。今回の知事選では、約50億円もの血税が投入される見込みだ。東京都選挙管理委員会によると、前回14年の都知事選で実際にかかった費用は約46億円。内訳について、都選管職員に聞いた。

 約90%を占めたのは、選挙実務を行う各区市町村への交付金で、約41億円にも上る。そのうち約22億円が投開票所の設営と運営、約11億円は人件費など事務費に、約6億円をポスター掲示の設置など物件費にあてている。

「開票所の票の読み取り分類機や、二重投票を防止するための名簿管理システムのオンライン化などの経費がかかります。人件費も選管の職員だけでは足りないので、他の部署から職員の応援を求めるほか、アルバイトの募集を行う自治体もあります。開票は深夜に及ぶので、人件費も相当な額になります」(選管職員)

 このほか、投票を呼び掛けるイベントやティッシュの配布、動画の配信など、「啓発経費」には約2億円かかる。

「選挙公営経費」には約2億円。こちらは、候補者の選挙カーのレンタル代やガソリン代、ポスターやビラ製作にかかった費用を負担する。ただし、有効投票数の10%以上の得票が条件で、届かなかった候補者は自腹になる。

 投票用紙の印刷や、立候補者向けの手引の作成など、「執行経費」は約1億円もかかる。

 区市町村への交付金は、前払いの概算交付されることが多いというが、今回、舛添氏の辞任表明が急だったので、区市町村が選挙費用を立て替えるハメになるという。

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