日本アニメの常識を変えた『機動戦士ガンダム』。キャラクターデザインとアニメーションディレクターとを担った安彦良和が、シャア・アズナブルを中心に「一年戦争」以前の過去を描く『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』。その第3弾「暁の蜂起」の公開を記念して、ガンダム専門コミック誌のガンダムエース編集部(KADOKAWA)と週刊朝日編集部がタッグ。週刊朝日に掲載した「機動戦士ガンダム」シリーズなど16本トリビアのうち、5本の「へぇ」を厳選して紹介する。ガンダムトークで「僕は、あの人に……勝ちたい」アナタに送るガンダムトリビアをどうぞ。
【1】アムロは小説版ガンダムで戦死していた!?
ファーストガンダム(「機動戦士ガンダム」1作目)当時、富野由悠季(よしゆき)総監督自ら執筆した、小説版ガンダムが出版されている(現在「角川スニーカー文庫」から発売中)。
終盤にシャアが乗るモビルスーツがゲルググやジオングではなくリック・ドムだったり、アムロとセイラのベッドシーンがあったり(作家の福井晴敏さん談「当時小学校高学年の自分にとってはとても刺激的でした」)、アニメとはストーリーやディテールが異なる描写も多いが、中でも衝撃的なのが、アムロが戦死するシーン。
シャアとの共闘を決めようとしたそのとき、ジオン兵にアムロのガンダムは唐突に撃墜される。もしアニメも小説版と同じラストを迎えていたら、現在まで続く一大ガンダムストーリーはなかったかもしれない。
【2】ガンダムの初期タイトルは「ガンボーイ」
新番組の企画として、当初は『十五少年漂流記』の宇宙版が考えられていたという。タイトル案は「フリーダムファイター」。その後、ロボットを出してほしいとのスポンサーの要望で、「パワードスーツ」を下敷きにしたSF格闘モノに改められた。そのタイトルが「ガンボーイ」。ふたつの原案の名前をそれぞれとって、「ガン(ボーイ)+(フリー)ダム」で、「ガンダム」に結実する。