Q:総コレステロール値も検査したほうがいいのですか?

A:「コレステロールにはHDLコレステロール(HDL‐C)とLDL‐Cだけではなく、いろいろな種類があります。脂質異常症にはすべてのコレステロールが関係しているため、HDL‐CとLDL‐Cだけをみるのではなく、総コレステロール値も重要な指標になります。

 特に高トリグリセリド(TG)血症では、HDL‐C以外という意味の『nonHDL‐C』の値も重要になります」(平野医師)

Q:閉経後の女性が脂質異常症になりやすいのは本当ですか?

A:「女性ホルモンのエストロゲンの働きで女性は脂質異常症になりにくいのですが、閉経後はエストロゲンの分泌が激減するため、脂質異常症のリスクが男性と同じくらいに高くなります。特にエストロゲンの減少がLDL受容体を減らしてしまうので、コレステロール値が上がりやすいのです。しかし定期的に健康診断をしてコレステロール値と中性脂肪値を把握し、必要になったら適切な治療を受ければ、それほど心配することはないでしょう。

 ただし、脂質異常症に糖尿病や高血圧が加わると動脈硬化のリスクも高くなります。血糖値や血圧の管理にも努めてください」(木下医師)

週刊朝日 2016年4月29日号