“緑内障”の最新治療法とは(※イメージ)
“緑内障”の最新治療法とは(※イメージ)
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 緑内障は、視神経が徐々に障害され、ゆっくりと視野が欠けていく病気だ。進行性で、高齢になるほどこの病気の人が多くなる。

「視神経が傷ついても初期には自覚症状はありませんし、両目で見ていると視野の欠損にもなかなか気づきません。見え方がおかしいと思ったときは、すでに視神経の大半がなくなっていることが多いです」

 と東邦大学医療センター大橋病院眼科准教授の石田恭子医師は言う。

 緑内障のおもな原因は「眼圧」による視神経へのストレスだ。眼圧とは、眼球の内側から外に向かってかかっている圧力のことで、「房水」という液体によって調節されている。

 房水の産生と排出のバランスがとれていれば、眼圧は適正に保たれるが、隅角が詰まったり閉じたりすると房水の流れが悪くなるため、眼圧が上昇する。

 すると、「視神経乳頭」という網膜を走っている視神経が集まって束になり、脳に出ていく部位が圧迫される。その状態が続くと視神経が死滅していき、それに伴って視野が欠けていく。

「視野は一度欠けたら元に戻せないので、病気に気づくのが遅いと、治療しても残念ながら失明することがあります。現在、緑内障は日本人の失明原因の第1位ですが、それは患者数が多いから。早期に発見し、治療できれば失明を回避できる可能性は高いです」(石田医師)

 緑内障は、原因が特定できない原発緑内障、病気やけがが原因の続発緑内障、先天的な発達緑内障に分けられる。大部分は原発緑内障だ。

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