大河ドラマ「真田丸」(NHK 日曜20:00~ほか)について、漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏は、現代っ子的要素を持つ長澤まさみ演じるヒロインに違和感を覚えるという。
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癖のあるおやじたちが、ばかし合い、殺し合う。これぞ戦国大河ドラマの醍醐味だ。二代目丹波哲郎を襲名したかのような、真田昌幸役・草刈正雄のたぬきっぷり。座ってうなっているだけでも、にじみ出るうさん臭さが最高だ。奥方(高畑淳子)への謀略(ボディタッチしながらお願い)だけは、いつも失敗するトホホ具合もたまらない。
信幸役の大泉洋だって、朝ドラ「まれ」と比べて、イキイキ感が違う? 毎度、室賀正武(西村雅彦)に「黙れ、小童(こわっぱ)!」と、どやされるくだり。それは、室賀が凄惨な死を迎える場面で、明暗を浮き彫りにし、やりきれない悲しみが際立った。
そんな中、どうにも不確実な要素を持つキャラクター、それは、きり(長澤まさみ)。常に口調が「やだ!ナニそれ」的な現代っ子。たとえ目上のババさま(草笛光子)相手でも、「我慢してください! 人質なんだからー」と、基本タメ口対応。信繁(堺雅人)のことが好きなのに、つい憎まれ口をきいちゃうツンデレ属性。しかし、「ツン」と「デレ」の配分がおかしい。