「最初は邪道だと言われたのですが、売り上げがグンと伸びましてね。当時、学生たちが放課後に、『カフェ行く?』と言っていて、それがうちのことを指すんだと知ったときは嬉しかったですね」
原宿のクレープは、「an・an」などファッション誌でも取り上げられ、人気に火がついた。
「最初のころは、溶けたアイスが下に落ちたりしまして。ブティックの服について、ずいぶん買い取らされました(笑)」
透明のプラカップでの飲み物の提供も、カフェクレープが元祖だという。
「12色のソーダを、とにかく目立つように店頭に並べたんです。カラフルで、“カワイイ”の元祖だったのかもしれませんね」
やがて、原宿のクレープは、本国に“逆輸入”された。小野さんは言う。
「フランスで、“ハラジュクスタイル”と紹介されたんです。京都の八つ橋が300年以上の歴史があるそうなので、原宿のクレープは千年を目指そうと言っています」
2977年の原宿。壮大すぎて想像もつかないが、原宿のクレープは健在だろうか。(太田サトル)
※週刊朝日 2016年3月11日号
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