
原宿の象徴といえば、クレープである。
生クリームやアイス、生のフルーツを生地で巻いて食べ歩く、今では当たり前のスタイルを、原宿で最初に始めたのが、「カフェクレープ」だった。
「フランスで“クレープ”という食べ物がはやっていると知って、これは絶対いける、と思ったんです」
カフェクレープの創業者、小野瑞樹さんが言う。
1977年4月。竹下通りに開店準備は進めたものの、小野さん、クレープづくりは未経験だったそうだ。
「前日の夜、あわてて練習したんですよ」
なんとかかたちになったが、売れ行きが伸びない時期もあった。夏のある日、ふと思った。
「アイスを包んでみたら、と思ったんです」
パフェやサンデーのスタイルの導入である。さらに、当初は店内で食べるスタイルだったものを、紙で巻いて手持ちで食べられるようにした。