「京都3区の公認を得た後、地元後援者の娘さんにも手を出し、問題視されたこともあった。そもそもろくに根回しもせずに育休と騒ぎ、不倫スキャンダルも起こしているので、派閥のボスである二階俊博総務会長は、顔を潰されて激怒している。政界復帰は厳しいのでは」
わずか1カ月で閣僚、衆院議員2人の“クビ”が飛んだが、自民党内の“火種”はこれだけではない。
高市早苗総務相は「放送法違反で放送局の電波停止はありうる」と繰り返し答弁し、テレビ局を威嚇。丸川珠代環境相は、原発事故後に国が除染の長期目標に掲げた「年間被曝(ひばく)線量1ミリシーベルト以下」は「何の科学的根拠もなく、時の環境相が決めた」と発言し、発言撤回に追い込まれた。
岩城光英法相は衆院予算委員会で、特定秘密保護法をめぐり答弁が迷走。島尻安伊子沖縄・北方相は「はぼ、ええっと、なんだっけ」と歯舞諸島を読めず、秘書官が「はぼまいしょとう」とささやく事態に。一方で、下着泥棒疑惑などで野党の攻撃を受けていた高木毅復興相は、矛先が分散したためか、表情が明るい。
昨今の閣僚や所属議員の暴走は、安倍内閣の支持率に打撃を与えるのか。政治評論家の板垣英憲氏が言う。
「一強多弱が続く現状のおごりの表れです。その分野のプロというより、いかに自分と親しいかという視点で大臣に据えている“お友達内閣”を続けているので、若手議員も含め、安倍首相とどう親しくなるかということに頭がいってしまう。その結果、モラルに欠ける政治家が増え、政権崩壊に向かっているのです」
(本誌取材班)
※週刊朝日 2016年2月26日号より抜粋