「設備機器や配管のトラブルによる漏水も少なくありません。その場合、リフォームや改修などが原因であることが明らかな場合は、工務店などに責任を追及できる可能性はあります。一方、老朽化や地震などの自然災害が原因であっても、漏水箇所が“専有部分”なら、所有者負担で補修しなければならないことがあります」
売買契約の後に引き渡し時点ではわからなかった瑕疵[(かし)欠陥]が見つかった場合、売り主が買い主に対して負っている「瑕疵担保責任」(原則10年)により補修請求ができる場合がある。
いずれにしても、自分の居住スペースに漏水がとどまっていればまだしも、階下に漏れてしまえば、加害者側として対応しなければならない。また、記者のケースのようにある日突然、被害者側になることもある。どう対応するのがいいのだろうか。
被害者側について、マンショントラブルに積極的に取り組む桑田・中谷法律事務所の桑田英隆弁護士はこう説明する。
「最初にやらなければならないのは、漏水箇所の確認と裏付けの確保。どこがどう漏水しているのか、写真を撮ったり、専門業者に依頼して調査してもらうことが大事です」
前出の青木さんは、こう付け加える。
「十分な調査で原因を確かめてから補修しないと、業者の責任を追及できなくなる場合があります。管理組合への事前相談も必要です」
あとは、管理組合を通じて加害者側からの連絡を待つのみ。その後、先方が損害保険に加入していれば、その交渉を経て、漏水箇所を修繕してもらう。損害保険会社によると、一般的には3カ月ぐらいでひととおりめどが立つそうだ。
※週刊朝日 2015年12月4日号より抜粋