漏水トラブルでこじれないための方策は?(※イメージ)
漏水トラブルでこじれないための方策は?(※イメージ)

 マンショントラブルで多い漏水。被害に遭った住人だけでなく、加害者側の住人にとっても青天の霹靂(へきれき)で、対応に戸惑う。漏水トラブルでこじれないための方策を専門家に取材した。

「マンションの階下漏水はとくに深刻で、夜中でも“すぐ来て!”と言われます。当社には日に2、3件そういった連絡が入りますね」

 こう話すのは、クラシアン(本社・神奈川県)課長の上條英二さん。水回りの出張修繕サービスを全国展開する同社では、年間80万件ほどの依頼を受ける。漏水で多いのは、洗濯機の排水ホースの外れ、洗面所やキッチンの排水管の詰まりによるものなどだという。

「洗濯機は1回の洗濯で約50~60リットル使います。排水管が詰まり気味でホースが外れると、受け皿になっている防水パンでは間に合わず、水があふれて漏水につながります。洗面所やキッチンでは排水管が収納部分にあり、見えにくい。排水管のつなぎ目から水があふれていても気づかないことが多いですね」

 つなぎ目が外れる原因はさまざまだが、収納部分にトイレットペーパーや洗剤など生活用品の買い置き品を詰め込んだり、何度も出し入れしたりしているうちにナットが緩んで、外れることもある。

「こうした漏水は、当事者が気付いて対処することもありますが、多くは階下の住人が見つけて発覚します。荷物が多いと排水管自体を確認しにくいので、キッチンや洗面所の下は重要な収納スペースですが、詰め込みすぎないほうがいいですね」(上條さん)

 ところで、マンションの漏水トラブルはどれくらい発生しているのか。住まいに関するトラブルの解決を支援する「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」(東京都)では、「住まいるダイヤル」を設け、住宅トラブルについて電話相談を受けている。年間のべ3万5千件あまりある相談のうち、マンション(共同住宅)トラブルの相談は2割ほど。ひび割れによるトラブルに続き、2番目に多いのが漏水だった。同センターの青木稔さんは言う。

次のページ