今年の大掃除はお手製ホット重曹水?(※イメージ)
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「掃除にもブームがありますが、今は汚れきらないうちに手を打つ予防清掃を推奨中。しかも“安全な洗剤でやさしく”がいいですよ」

 と話すのは、新刊『「汚れ予防」のコツと裏ワザ』(青春出版社)を11月に上梓する掃除会社アクションパワー代表で日本清掃収納協会会長の大津たまみさんだ。

 年末になると慌てて強い洗剤を使う人が増えるが、塩素系漂白剤には気をつけたいと、大津さんは言う。

「台所で食器をきれいにしようとして塩素系漂白剤をボウルに入れておき、その脇で料理中のレモンやお酢などの酸が一滴落ちるだけで有毒ガス(塩素ガス)が発生する。事故防止のためには、酸素系漂白剤を選んでほしい」

 汚れが目立つからといっていきなり研磨剤入りの粗いタワシで磨くと、シンクなどに傷がつく。傷がつくと、汚れやすくなるという悪循環を生む。

「お勧めは、重曹とクエン酸(粉)。百均でも売っているスプレー容器二つと、スポンジとブラシを用意します。細かな部分の埃や水垢には使い古しの歯ブラシが役立ちます」 

 スプレー容器に42度のお湯を100ミリリットル入れて5グラム(小さじ1)の重曹を溶かし、それをシンクに吹きつけて、スポンジで汚れを落とす。排水口のごみ受け部分も、このお手製“ホット重曹水”を吹きつけてブラシでこする。ただし汚れがひどい場合には、クエン酸水(100ミリリットルの水にクエン酸2.5グラムを溶かしたもの)スプレーも用意。

「重曹50グラム(カップ4分の1)を排水口(ごみ受け)に振りかけて、そこにクエン酸水をスプレーすると、しゅわーっと炭酸の泡が出ます。その泡で汚れが浮いてくるので、要らない歯ブラシでこすります」

 ギトギトのコンロも、ホット重曹水の吹きつけと漬け置きで奇麗になる。大津流の裏ワザをいくつか紹介しよう。歯ブラシの柄の外側部分にライターの火を当て“への字”に曲げると、角度がついてブラシとして汚れを落としやすくなる。

「排水口やコンロのこびりつきは不要になったプラスチックのショップカード等の端でこすって落とせます。ごみ受けにアルミホイルを小さく丸めて置けば、汚れがつきにくいですよ」

 また、大津さんは、匂いが手につきやすくかぶれやすいゴム手袋を使わなくてすむように、撥水力と保湿力に富んだハンドクリームを開発。掃除のプロ用だが来月から一般販売するという。

「べたつかず、ささくれもできないので楽しく掃除できるはずです」

週刊朝日  2015年11月27日号より抜粋

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