妻:真っ暗な店内にはビリヤード台なんかもあって、大人の雰囲気で。それでまた彼が、すごく大人に見えたんですよね。言葉遣いもすごく丁寧で。見た目はいかついのに、きちんとした人だなあ、と。

夫:そのギャップが効果的だったんでしょうね(笑)。

妻:はぁー、素敵な人!って……(笑)。

夫:僕は小さいときからスポーツをやっていて、上下関係とか礼儀とか、厳しくたたき込まれてましたから。そのころの僕はまだ、K‐1では戦っていませんでした。だいたい、当時はまだ、僕の階級がなかったんです。キックボクシングの世界ではまあまあ知られていたけれど、一般の人は僕のことなんてほとんど知らなかったんじゃないかな。

妻:私も、姉が格闘技好きだったので、話には聞いてたんですよ。でも実際に試合を見に行ったのは、彼が招待してくれたのがきっかけでしたね。

夫:とにかく頂点めざしてやる、メジャーになってやる、っていう時期でしたから、女性と付き合うなら、絶対芸能人と、って決めてたんです。

妻:えーっ? まぁ、堂々と言ってのけること……(笑)。

夫:車の故障のときはみんな困ってたから、もちろん助けただろうとは思うけど、彼女がタレントじゃなかったら、付き合ってはいなかったと思いますよ。

妻:今さら怒る気にもなれない(笑)。

夫:自分の一番かっこいい姿はリングの上にある、って思ってたんで、「良かったら試合、見に来て」って誘ったんです。

週刊朝日  2015年11月6日号より抜粋

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