
鳥取といえば、松葉ガニ。だから、(トッ)トリ+カニで、「カニットリ」。わかりやすい。
鳥取県の観光名所、皆生(かいけ)温泉のPRキャラクターのカニットリくん。もともとは、みうらじゅん&安齋肇のユニット「勝手に観光協会」が、鳥取県のために「勝手に」考案してくれたキャラで、デザインは、安齋さんによるもの。
「デザインを見て、当地のイメージキャラクターにぴったりだと直感し、直接、安齋先生の事務所に使用許可のお願いをしたんです」
と、カニットリくんを管理・運営する、皆生グランドホテル専務取締役・伊坂順子さんが言う。よって、カニットリくんは、「勝手に観光協会公認キャラ」の、「勝手に皆生温泉宣伝部長」なんだそうである。
体のベースや色合いは「カニ」だが、手はハサミではなく、鳥の羽のよう。足も鳥のようで、二足歩行する。着ぐるみ化にあたり、「動くときには羽をバタバタさせる」など、安齋さんからのアドバイスがあったそうだ。
「カニなのに真っすぐ歩き、鳥なのに飛べない。全く不思議な生き物なんだカニー。頭の王冠がグルグル回るのは、着ぐるみの中でも珍しいみたいだカニー」
というカニットリくん、よく見ると、目玉が三つある。パッと見不気味にも見える、奇抜なデザインではある。
「人間よりひとつ多い目で、世の中をよく見渡して、皆生温泉の発展に寄与することを願っているんだカニー」
この真ん中の目は、「カニットリくんのお父さん」という説もあるようだが、詳細は明らかにされていないようだ。
キャラクターが描かれたのは約15年前だが、昨年、ゆるキャラグランプリに初参戦。鳥取県内のキャラの中では1位という好成績を残した。
「カニの水揚げ量が全国1位の鳥取県は、“蟹取県”として“ウェルカニキャンペーン”を県をあげて展開中だカニー。皆生温泉でカニットリくんもお出迎えするカニよー!」
中間発表時点では、今回も県内のキャラの1位を維持している。
(太田サトル)
※週刊朝日 2015年11月6日号