認知症高齢者が喰いものにされる危険性が…
認知症高齢者が喰いものにされる危険性が…
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 10月から個人のマイナンバーの通知、来年1月から実際に運用が始まるマイナンバー制度。しかし、そこには弱者の視点が抜け落ち、認知症高齢者が喰いものにされる危険性を孕んでいる。

 昨今は、高齢者が老後の糧とするアパート家賃や年金などの収入を、働き口のない子供が搾取する事例が相次ぎ、介護サービスを十分に受けられない高齢者が続出している。親の年金や収入を把握できる機会となるマイナンバー手続きにそうした子供を関わらせることは「リスク」かもしれない。本来は認知症高齢者を守る立場のはずの後見人だが、被後見人から搾取をする問題は現状でも多いと牧野二郎弁護士は指摘する。

「後見人が被後見人のお金を使い込むといった不祥事は今、とても多いんです。マイナンバーを使った、後見人による犯罪も起こりかねません。また、認知症高齢者の通知カードを使ってなりすましをして、消費者金融からお金を借りるということも起こり得るでしょうね」

 政府は今後、マイナンバーや個人番号カードの普及のために、クレジットカードとの連結など利便性をさらに高めようとしている。

 日本弁護士連合会で情報問題対策委員会委員長を務める坂本団(まどか)弁護士は言う。

「用途が広がるとリスクは高まる。なりすましで住所変更をしたり、キャッシュカードやクレジットカードを不正利用したりする懸念もあります。今でも健康保険証を勝手に使われて消費者金融の連帯保証人にされていたというケースがありますが、そのような犯罪のリスクが増えるでしょう」

 何が起こるのか、実際に始まってみないとわからないが、参考になるのが、日本に先駆けてマイナンバー制度を取り入れた米国の例だ。

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