マイナンバーの通知が届いた後に顔写真とともに申請して、「個人番号カード」を取得する。このカードは身分証明書として使えるようになるといい、当面は、行政窓口での手続き時に番号確認と本人確認ができるほか、オンライン(マイナポータル)での行政手続きの申請ができる。
18年からは金融機関は利用者の同意があれば銀行口座を連結させることができるようになり、さらに政府は21年に銀行口座との連結の義務化を目指している。さらに不動産の登記情報との連結が進めば、マイナンバーが流出すると、第三者がマイナポータルからアクセスするだけで、個人の全資産がまるわかりになるというわけだ。
「マイナンバー制度ではマイナポータルから閲覧することで、個人の資産を把握しやすくなるので、マイナンバーの流出によって、『オレオレ詐欺の対象リスト』といったものが出回りかねません」(坂本弁護士)
人口数万人のある市では、ウェブサイトで質問に答えて「個人番号カードは取得が任意ですので、管理が難しい方や不安な方は取得しないほうが良いかもしれません」と回答を載せていた。
「マイナンバー制度の説明会では民生委員や近所に高齢者が住んでいる人や施設の人から、どうしたらいいかという質問が多くあった。悪用される可能性もあるので、自分で管理できない場合は個人番号カードを作らないほうがよいと考えています」(同市役所市民課)
(本誌取材班)
※週刊朝日 2015年10月16日号より抜粋