日本の少年犯罪史で最も強烈な印象を残した酒鬼薔薇聖斗こと元少年A(33)。6月に手記『絶歌』(太田出版)を出版し、25万部のベストセラーとなった。すでに莫大な印税を手にしたとされる。世に出た彼は再び、制御不能なモンスターとなりつつある。
8月下旬、Aは出版に至る経緯を詳細に書いた手紙を「週刊文春」「週刊新潮」「女性セブン」の3誌、新聞社などに送りつけた。その文章量はA4用紙で20枚、文字数は2万字にも及ぶ。
公表された手紙によると、その内容のほとんどは、幻冬舎の見城徹社長とのやりとりに費やされていた。詳しくは後述するが、Aは、手記の執筆を計画して、2012年冬に見城社長に熱烈な“売り込み”をしていた。
そして、もう一つ重要な内容が記されていた。Aは手紙の最後に、自らの表現の場として、公式ホームページ(HP)を立ち上げたことを告知していたのだ。
HPのタイトルは、「元少年Aの公式ホームページ存在の耐えられない透明さ」。フランスの作家ミラン・クンデラの名作『存在の耐えられない軽さ』と、酒鬼薔薇聖斗が赤字で書いた犯行声明の「透明な存在」を合体させたと思われる。
「Aは『絶歌』を出版する際、HPも作成したいと主張していたそうです。しかし、さすがに太田出版が止めた。すると、勝手に立ち上げ、手紙でメディアに公表してしまったようです。言い出したらきかず、制御不能ですね」(出版関係者)
HPには、本人のプロフィルや身長と体重、自らが影響を受けた本や映画の感想などが掲載されている。また、「ギャラリー」というページには、覆面をした全裸の自分自身のセルフポートレートや、大量のナメクジを集めた写真などが掲載されている。