野球やサッカーなど今ではよりレベルの高い海外で活躍するプロ選手も多い。ゴルフもそのひとつ。しかし、ゴルファーの丸山茂樹氏はある日本人選手に何度も帰国をするよう言っているという。その人物は…。
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僕の今シーズン初戦となった「長嶋茂雄招待セガサミーカップゴルフトーナメント」(7月2~5日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)。締め切りの関係上、内容は来週号で詳しくお伝えしますので、少々お待ちください!
6月30日は試合会場で練習ラウンドを回ってきました。メンバーは僕と深堀圭一郎さん(46)、アメリカから一時帰国中の今田竜二(38)、それにウチのジュニアファンデーションからの推薦で出場の小木曽喬(たかし)君(18)の4人でした。
小木曽君は去年の日本アマチュア選手権の優勝者で、福井工大の1年生。彼のプレーをしっかり見るのは初めてでしたけど、ステディー(安定した)なタイプで、まだまだ伸びしろがあるなと感じました。もっと体が大きくなって、パワーがついてきたら、おもしろいでしょうね。何よりゴルフに対してまっすぐ向き合ってるのがいい。向上心も、ものすごくあるし、ほんとに楽しみですよ。
さて、今回の本題は今田竜二なんです。長らくアメリカを主戦場にしてやってきた竜二ですが、ここ3シーズンは米PGAツアーのシード権を失い、苦しんでいます。今シーズンもここまで米ツアー3試合と下部ツアー2試合に出場してますけど、すべて予選落ち。つまり試合で一円、いや一セントも稼げていないということですよね。
アメリカでやっていくには、結構キツい年齢になってきました。本人もそれを感じてると思うんです。だからここは、いったん主戦場を日本にしてみたらいいんじゃないか、と。いまは地に足がついてない感じ。明確に割り切っちゃった方がいいと思うんですね。
いまの竜二の状況を見ると、アメリカで戦い続けるのはものすごくリスキーだと思うんです。調子が上向かない中、アメリカの難しくてタフなコースでやればやるほど、精神的に落ち込むのが普通ですから。とにかく一度日本に帰ってきて、まあ日本のコースが易しいとは思いませんけど、多少なりともゴルフにはなる。日本に戻ってくれば、トンネルから出られるような何かを見つけられるんじゃないかと思う。その決断をするタイミングが、いまじゃないかと。
すごい男ですよ、竜二は。米ツアーの選手になるために14歳で日本を離れて、ジュニア、大学、プロと、ずっと向こうで頑張ってきた。2005年に念願の米ツアーメンバーになり、08年には「AT&Tクラシック」で米ツアー優勝。09年には、これも夢だったマスターズ出場を果たしました。
14歳で渡米なんて、相当強い気持ちがないとできない。アメリカで暮らした時間の方が長くなってるし、これまでの苦労もあるから、ずっとそこで頑張りたいと思ってるんでしょう。
でも僕としては、体の十分動くうちに日本へ帰ってきて、彼の歩んできた道をアピールしてほしいんです。次世代を担うジュニアたちに伝えられることは、山ほどある。それは竜二にしかできない。日本でプレーをしながら、ゴルフ人生を語ってほしいなあ。
※週刊朝日 2015年7月17日号
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