『週刊朝日』の長友佐波子編集長が今を輝く女性にインタビューする「フロントランナー女子会」。今回は日本生命保険相互会社でこの春執行役員となったお客様サービス副本部長兼サービス業務教育部長の尾田久美子さんです。
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長友:尾田さんは、入社時から事務一筋ですか?
尾田:20年近く事務だったんですけど、38歳のとき釧路支社の販売促進の担当に移ったんです。業績管理やイベントの企画運営、営業職員の教育、いろんなことをする部署で、本来は総合職が就くポスト。事務の経験しかない私がする仕事じゃないんですけど。主任に昇格して部下もできるし、ビックリでした。
長友:なぜそういうことに?
尾田:直接の上司が「とにかくやってみろ」と引き上げてくれたんです。その上司と支社長から支社長室に呼ばれて、「これはどういうことかわかるか? 総合職並みに働けってことだぞ」と言われましてね。
長友:支社の中では他の人より積極的に仕事をしているという自負はあった?
尾田:いや、みんなと変わらなかったと思いますけど。上司がチャレンジャーだったんでしょうね(笑)。でも最初は戸惑いました。事務って必ずマニュアルがあるんですよ。わからなくなったら調べればいいけど、販売促進は正解が一つではない。
長友:どうやって解決を?
尾田:支社長の考え方がマニュアルだと思ったら、気が楽になりました。支社長の動きや考えを見ながら、じゃあこんな教材や資料を作りますとやっていって。結果的にトップの考え方を学ぶことができて、仕事をするうえで大きな財産になりました。
※週刊朝日 2015年6月26日号より抜粋