今年度は39講座あり、ほとんどが20人以下で行われる。テーマは「社会の仕組み(企業の戦略)」「生活の中のゲーム理論」「目指せ未来の建築家」など、従来の高校教育のイメージとは違う魅力的な講座名が並ぶ。

「生徒は2年間でさまざまな分野をバランスよく学び、講座の最終段階では、選ばれた講座の生徒が、体育館でプレゼンテーションをします」(市原教諭)

 その中の「プレゼン・ファンタジーIII」を見学した。

「君たちは今から営業マンになります」

 担当の齋藤皓之教諭はこう話すと、ラジオボイスレコーダーの商品説明のプリントを配った。

 生徒たちはグループに分かれ、セールスポイントについて活発に話し合った。

「もっとプレゼンが上手になりたかったんです」

 講座を選んだ理由をこう話すのは、冒頭で紹介した高橋さんだ。

 小4から中2までロボット製作やプログラミングを学び、自分が製作したロボットの発表を通じて、プレゼンの大切さも知ったという。

「この講座はプレゼンの基礎から学べるので楽しい」

 齋藤教諭は昨年の例を挙げ、こう話す。

「最初は発言が少ない生徒も4~5回目からは積極的にかかわるようになり、目に見えて変わってきます」

 同校は中1から通常授業にもALを取り入れている。

 たとえば数学では、グループワークでサッカーボールの展開図を考えたり、理科では年間100回以上の実験をしたり、地歴・公民では校外でグループ研究やプレゼンをしたり。

「こうしたALを通じて、生徒たちは考える必要性を知り、過程を楽しめるようになりました」(齋藤教諭)

 同校は2009年から毎年10人前後の東大合格者が輩出し、今年も9人が合格した。

週刊朝日 2015年5月29日号より抜粋

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