週刊朝日 2023年2月24日号より
週刊朝日 2023年2月24日号より

 消費者が家電を買うタイミングは、引っ越しや結婚、子どもの誕生など生活スタイルが大きく変わったときが少なくない。生活に密着した冷蔵庫や洗濯機は、特にその傾向が強い。新品を買う際は使用中の家電を手放すことが多い。使用期間が5~8年程度なら、まだ使える。

 最近は使用済み家電を手放すと、商品にもよるが、平均5千~6千円ぐらいのリサイクル料を負担する必要がある。一方、リユース商品を扱う事業者だと、使用済み家電をたとえ100円でも買い取ってくれる可能性がある。清村さんは「買い取りを希望するお客さんが圧倒的に多くなっている」と話す。

 リユース商品はどんなプロセスで販売されるのか。ヤマダデンキの場合は、全国で年20万台程度を買い取り、滋賀県や群馬県の専用工場で再生する。たとえば、テレビは(1)機能確認、(2)ノイズ・接触確認、(3)入出力端子接続確認、(4)エイジング(経年劣化)・映像確認などを行う。

 冷蔵庫は(1)点検・温度確認、(2)自動すすぎスチーム洗浄、(3)泡洗浄、(4)磨き洗浄などをして、製氷皿は主に新品と交換する。洗濯機は、経年劣化しやすい糸くずフィルターや排水ホースを新品などに取り換えている。

使用済み家電を扱う専用工場(ヤマダホールディングス提供)
使用済み家電を扱う専用工場(ヤマダホールディングス提供)

 ヤマダデンキでは分解してチェックする際、モーター系は音や振動なども確認する。大きな傷などがある商品は、再利用をあきらめ、資源リサイクルに回している。ヤマダデンキのリユース商品は、すべて2年の保証をつけているという。

 ヤマダデンキのように専用工場を持ち、積極的に再生使用を進める事業者はまれなようだ。専用工場と店舗の間を運搬するコストが高くつき、分解や点検、清掃など人手のコストもかかる。

 清村さんは、ヤマダデンキが早くから家電回収や再資源化に取り組んできたほか、全国1千店舗で買い取るネットワークを構築するなど圧倒的な規模のメリットを強調する。それでも、先行投資などもあり、最近の新工場立ち上げによる事業規模の拡大で、ようやく収支が黒字化したという。

使用済み家電を扱う専用工場(ヤマダホールディングス提供)
使用済み家電を扱う専用工場(ヤマダホールディングス提供)
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