人気モデルとして活躍し、近年は女優としても出演する佐々木希さん。28日には映画「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」が公開されるが、この作品で女優としての成長を感じたと、作家・林真理子さんとの対談で明かした。
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林:もともと、佐々木さんは超人気モデルさんだったわけですけど、モデルから女優になるっていうと、最初は温かい目では見てくれないんじゃないですか。
佐々木:そうですね。厳しいなと思いました。
林:私はコピーライターから作家になったんですけど、作家って同人誌とか新人賞から入ってくるのがちゃんとしたルートだとされていて、よその業界から来ると、最初はとても冷たく扱われるんですよ。でも、佐々木さんはもうその時期は越しましたよね。
佐々木:そんなことないです。自分で「女優」って言うのもおこがましいと思っているので。私、最初は何もわからないまま、いろいろなお仕事をさせていただいたんです。モデル業もバラエティーも女優業もして、ちょっと歌を出した時期もありまして。ほんとに目まぐるしくいろんなことをしていたんですが、一つのことを突き詰めてないことに気付いて。きちんと向き合おうと。
林:それで女優さんになろうと思ったんですか。
佐々木:女優業を頑張ってみようと思ったんです。なので、最初はぜんぜん仕事がなかったんです。
林:相談相手になってくれる人はいたんですか。
佐々木:事務所には、いっぱい相談に乗ってもらいました。
林:女優業で頑張ろうと決心したのには、悔しい気持ちもあったんですか。
佐々木:悔しいのと申し訳ないのと両方ですね。自分のやりたいことがわからなくて悩んでいる時期があって。ほんとに皆さんに申し訳ないと思ったんですよ。
林:そういう気持ちってすごく大切ですよね。あれだけ人気者になっていたんだから、そのままモデルさんでもよかったかもしれないけど、またひと頑張りしようって素晴らしいです。この映画で賞か何かもらえそうな気がするけど。
佐々木:いえいえ。でも、いままでの映画やドラマでは、「かわいかったよ」という感想が多かったのですが、この映画の試写を見てくれた方からは、「女優としての佐々木希を見た」という感想を何個かいただいたんです。それがすごくうれしくて。役としての私を見てくれたんだなと思って。
※週刊朝日 2015年3月6日号より抜粋