お客からの暴言や暴行などの「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が問題視されて久しい。
【写真】店内の様子をライブ配信したオーナーの伊藤慶さんはこちら
200円の格安弁当から総量1キロの超デカ盛り弁当まで幅広いラインアップで知られる東京・亀戸の弁当店「キッチンDIVE」の“事件”が全国ニュースになったのは、2021年5月25日のことだった。
オーナーの伊藤慶さんが振り返る。
「深夜3時過ぎ、泥酔したうえに『顎マスク』姿の男性2人が来店しました。購入した総菜を温めるよう求められたので、女性店員が『感染対策から、店内での電子レンジの使用を控えている』と伝えたところ、態度を豹変させたのです」
男性2人は大声で暴言を吐き、「営業妨害なのでやめてもらっていいですか?」と店員が要請するや、さらにヒートアップ。代金を店員に思いっきり投げつけた。
「この様子は、店頭で告知しているようにYouTubeでライブ配信され、100人ほどが視聴していました。にもかかわらず、さらに『殺ってやるからな』と脅迫する始末でした」
すぐに伊藤さんは警察に被害届を提出。8月10日に2人組は逮捕された。だがカスハラ被害はこれだけではなかった。
「22年2月20日深夜2時40分過ぎのことです。今度は『万引きしちゃうぞー』と犯行予告のような暴言をわめきながら5、6人が来店し、お弁当をたたいたり投げつけたりしたのです。しかもこのグループには、当店から50メートルほどしか離れていない大手弁当店の店員が含まれていることが、彼らの会話の中からわかりました」