なんと、近隣ライバル店の店員が“営業妨害”したと言うのだ。
「その後も彼らは店の前で騒いでいたため、110番しました。ライバル店の店員は19歳。にもかかわらず、仲間と飲酒していたのです」
その日の夕方、彼は母親と共に謝罪に訪れた。身を縮めるように頭を下げ続ける親子。反省の色が濃いように思った伊藤さんは、謝罪を受け入れることにした。
「しかし、アルバイトとはいえ彼を雇用していた以上、その弁当店や本部にも責任があると思い、弁護士を通じて謝罪と防止策を依頼しました。結局、本部の役職者が謝罪したのは事件から51日後。あまりにも遅すぎです」
ため息をつきながら伊藤さんは、こう続けた。
「ライブ配信していなかったら、前回の件も今回も、解決までにもっと時間がかかっていたでしょう。お客様と私たちは、良好な関係を築いておいしいものを食べていただく、いわばパートナーだと思うんです。『カスハラ』なんて言葉がなくなるよう、お互いに尊重し合える社会になるといいですね」
※週刊朝日 2023年1月6-13日合併号