
「21世紀のスキッツォイド・マン」




ロバート・フリップ自らが命名し、キング・クリムゾンの楽曲を演奏することを許された唯一のグループと謳われた「クリムゾン・プロジェクト」が来日する。演奏曲目も、「21世紀のスキッツォイド・マン」(今は、こういうのね)から「レッド」の時代の曲も演奏するという。主要メンバーが、エイドリアン・ブリュー(g.vo)とトニー・レヴィン(b.stick)というから「ディシプリン」三部作やその後の「ブルーム」などのアルバムが中心になってくると思うのだが、その長いキャリアをまとめて聴けるのは、またとないチャンスだ。
ところで、昨年2012年の8月、ロバート・フリップのインタビューが、イギリスの経済紙「Financial Times」に掲載されたのはご存じだろうか。活字になったインタビューとしては7年ぶりだったそうだが、その中で、フリップは、音楽活動を止め、再開するめどはたっていない、と言っている。いわば、引退声明のようなものだ。この言葉が、今回のプロジェクトに反映しているのだと思う。しかし、自宅のベッドに、ギターを脇に置いて、スーツ姿で腰掛けている写真は、なかなかにかっこいい。引退した人とは思えない。また、いつか、気が変わって、活動を開始するような期待をもちたい。
02、03年に「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」が来日した。この時も、フリップ抜きの初期の主なメンバーが集合し、ピート・シンフィールド時代のクリムゾンをかいま見ることができた。日本でのライヴもCDとして出ているので、初期のクリムゾンを好きな人には、オススメしたい。
1969年にデビューし、さまざまな変遷をへて今に至る、キング・クリムゾンの歴史をもう一度、振り返ってみよう。
公演情報は、こちら。
http://clubcitta.co.jp/sp/cripro2013/