東大にはAKB、ももクロにPerfume、K-POPなど、コピーダンスサークルがいくつもあるが、なぜ東大ハロプロ同好会は、ハロプロだったのか。
「やり始めたとき、ハロプロってオワコンじゃないの? と言われて、『今のハロプロを見もしないで』と憤慨しましたね」
と、4年生のリーダー、山下結花さんは言う。どこか弱小球団ファンの話のようでもある。
長崎出身。大学の試験勉強の合間に、懐かしさも手伝って動画サイトを見ているうちに、ハマった。
「そして、学内でAKBのコピーダンスをやるKMB48というサークルを見て、これをハロプロでやりたいと思ったんです」
フェイスブックやツイッターで学内の“同好の士”やダンス経験者を探し、メンバーを増やしていった。
山下さんにはダンス経験がない。
「ダンスやってたコと覚え方が違うかもしれません。ここで右手がグーになったから、次は左でパーとか、理屈づけて覚えてます」
あえて科目にたとえてもらうと、
「社会科ですね、暗記という意味では」
とのことだった。
メンバーは、「そこそこ難しくて、華やか」「他のアイドルよりも踊ると楽しい」と、ハロプロのダンスの魅力を語る。山下さんは言う。
「さらに、つんく♂さんの世界観ですね。地球規模のことと青春が等価値で語られたりする。心の中に中3女子がいるんじゃないかと思うこともあります。つんく♂さんが、がんを公表したときは、その心配ばかりしてましたね」
頭の中を円グラフで描いてもらったら、3分の1をハロプロが占め、残りを将来、勉強、バイト、恋愛で分け合う感じだった。
「この先は、卒論が占めると思います」
と笑う。
山下さんの卒論のテーマは、「視覚障がい女性の化粧行動」だそうだ。
※週刊朝日 2014年12月26日号