「もう一回、国民のための政治をし、政権を交代する。そのために、皆様のお力で最後のもうひと働きをさせていただきたい」
地元の岩手4区に入らなくても圧勝だったはずの生活の党の小沢一郎代表(72)。だが、今回は31年ぶりに本格的に地元に入り、“雪ニモ負ケズ風ニモ負ケズ”のドブ板選挙を展開している。
「10分ほどの演説を、2日間で30カ所も駆け回っていました。いつもは党務を理由に来ないのに、今回はここまでやらないと結果が危ぶまれる情勢なのです」(地元の政界関係者)
かつて、小沢王国といわれるほど盤石で12万票前後を獲得していたが、前回は大きく下回って7万8千票まで減少。
「震災時もすぐ激励に帰らず、もう地元のために動いてくれないと痛感した。後援会を支えた妻の和子さんと離婚したと報じられ、もう応援する義理もないなという声が高まった。もう総理になることも期待できないため、前回より票を落とすという評判です」(同)
公示日の2日には、森ゆうこ氏の応援のため新潟県魚沼市で、第一声の熱弁をふるったが、
「ズボンはしわしわ。ジャケットのポケットフラップ(ふた)が中に入り込んでヨレヨレ。選挙屋としてのカリスマ性がなく、老いを感じました」(地元紙記者)
猛烈な追い上げをしている対抗馬は2期目を目指す自民党の藤原崇氏(31)。会期中でも週に数日は地元に戻り、辻立ちを続け着実に支援者を増やしているという。藤原陣営の関係者は、興奮気味にこう語る。
「元小沢派の地元議員も加わって心強い。党本部も本気で、安倍晋三首相、菅義偉官房長官、大島理森・東日本大震災復興加速化本部長ら大物議員が、次々と応援に入ってくれるので、切り込んでいきたい」
過去にない逆風が吹き荒れ必死の小沢陣営だが、小沢氏の同級生は懸念する。
「慌てて地元に入ったことで、“過去の人”と思われて、さらに票を減らすのでは」
“ドブ板戦術”は吉と出るか、凶と出るか。
(本誌・牧野めぐみ)
※週刊朝日 2014年12月19日号