『週刊朝日』の長友佐波子編集長が企業で輝く女性たちにインタビューする「フロントランナー女子会」。今回は楽天の黒坂三重執行役員です。黒坂さんはネット上のグリーティングカードサービスの会社・ワイノットに入社し社長にまで登り詰めたが、楽天に売却した。
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黒坂:ワイノットは私の手で上場させたいと思っていました。でもショートタームで3億の利益を出すことが期待されていたのに1年で1.5億しか出せなかったんです。それですごく悩んだ結果、以前から関心を持ってもらっていた三木谷さんに託そうと決めました。
長友:一国一城の主だった人が大きな組織に入ってやりにくくなかったですか?
黒坂:最初はそうですよね。ただ、ミッションに専念できるなと思いましたよ。資金調達の心配もいらないわけですし。
長友:自由を得た感じ?
黒坂:そうですね。
長友:黒坂さんはお子さんもいらっしゃるんですよね?
黒坂:はい。会社を売却したときに、臨月だったんです。出産後は、売却直後だったので、3週間で復職しました(笑)。
長友:どうやって両立を?
黒坂:当時、楽天も急成長しているタイミングだったので、仕事も子供もベストな状況にするために最大6人のベビーシッターを雇いました。一人にするとその人が母親になってしまいますよね? 子供の自我が芽生えるのは、もう少し先のことなので、ベビーのころこそ働くべきだと思い、そうしました。いろいろ言う人もいますが、専門家に任せたらいいと思います。逆に今のほうが大変ですよ。私の服装や予定のチェックをしますからね(笑)。
長友:仲良しですね(笑)。後進の女性にアドバイスするとしたら?
黒坂:貪欲であれ、ってことですかね。常にあれが欲しい、こうでありたいと思い続ける気持ちが大切ですよね。そして絶対に諦めないこと! これですね。
※週刊朝日 2014年11月28日号より抜粋