週刊朝日で好評連載中の「美意識ある生活」。生活品評論家の東海左由留(とうかい・さゆる)さんが厳選したひと品を紹介している。東海さんは日本とヨーロッパで「生活をより豊かに」をテーマに様々なアイテムやサービス、ライフスタイルを取材。自腹で購入し、時間をかけて使用感を検証している。
今回は、カールツァイスのルーペ単眼鏡を紹介する。
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■見ているようで、実は見えていないこと
年齢を重ねると感動しにくくなる。「あ、それは知っている」と、これまで蓄積した体験や知識が感情の動きを邪魔するのだ。
好奇心の衰えを感じたら、見方を変えることが必要。考え方だけでなく、道具を使って物理的に「視る体験」を変えると様々な発見があるからだ。
最近、筆者が旅や外出に持参するのが、カールツァイスのルーペ単眼鏡Mono3×12T*。望遠鏡とルーペ、二つの機能を兼ね備えたこの一本が、視る体験を何倍も豊かにする。
これを使って絵画を視ると、筆のタッチや裸眼で見落とした細部までくっきり。屋外ではルーペとして草花を観察し、レンズを調整すれば望遠鏡として建築や彫刻をシームレスに鑑賞できる。さらにオペラグラスに、細かい文字の判読にと、一本で何通りもの使い方ができるのだ。
旅先で「視る体験」を仕入れたら、帰宅後は関連書籍を読み漁るのがお約束。手のひらサイズの一本が学ぶ意欲を蘇らせる。
<今日の逸品>
カールツァイス ルーペ単眼鏡
Mono3×12T* 5万4000円(税別)
問い合わせ先:カールツァイス
■本商品は朝日新聞社の通信販売「朝日新聞SHOP」(http://shop.asahi.com)でもご注文いただけます。
フリーダイヤル 0120-013-193(年末年始をのぞく毎日9:00~19:00)
※カールツァイス ルーペ単眼鏡を注文する
※週刊朝日 2014年6月6日号