波瀾万丈の役柄とは対照的な円満結婚にこぎつけた。NHKの連続テレビ小説「花子とアン」で、夫がいながら恋人と駆け落ちした歌人・柳原白蓮をモデルにした蓮子を演じた女優の仲間由紀恵(34)が9月18日、俳優の田中哲司(48)と結婚したのだ。名脇役が国民的女優を射止めた内幕は──。
そもそも2人の出会いは10年以上前で、2003年のドラマで共演したことだという。交際に至ったのは07年、仲間が主演した連続ドラマ「ジョシデカ!─女子刑事─」(TBS系)での共演がきっかけ。仲間は発表したコメントで、こう語っている。
「当初は仲の良い友人としてお付き合いが始まり、彼の穏やかさが自然の流れとなり、機が熟しこの度結婚の運びとなりました」
2人の熱愛が最初に明らかになったのは09年11月だ。日刊スポーツが「真剣交際」と報じたが、仲間の所属事務所は「仲の良い友人」と、交際を否定した。
「『ごくせん』シリーズのヒットなどですでに人気女優となっていた仲間に比べると田中の知名度は高くなく、当初は積極的に交際を認められない事情があったようです。ただ、仲間はその間も『同じ役者同士で、人としても尊敬できる相手』と、ずっと交際を続けてきた。朝ドラという国民的番組で大きな結果を残した節目ということで、一つの区切りをつけたのでしょう」(芸能関係者)
すべてを捨てて運命の恋人との「駆け落ち」に走った蓮子とは違い、女優業に励みつつじっくりと愛をはぐくんだ仲間。所属事務所社長も、こう祝福した。
「これだけ頑張っているんだから、もう結婚を認めてあげてもいいですよね?」
ところで、仲間を射止めた田中はどんな人物なのか。
放送中のNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」では、信長に謀反を起こし官兵衛を幽閉する武将・荒木村重を演じて注目されたが、以前から演劇界では実力派として知られていた。日大芸術学部卒業後、1990年代半ばから蜷川幸雄氏演出の舞台などで活躍。その後、テレビドラマや映画にも活躍の場を広げ、味のある脇役を演じてきた。
「今でこそ貫禄がつきましたが、彼の魅力は182センチの長身と漂う色気。過去には共演者の女優との熱愛の噂が流れたこともある。舞台を降りると、やわらかい物腰とにこやかな雰囲気は見た目のとおり。かつ酒好きなので、酔って演劇論を語る姿に惚れる女性が後を絶たないと言われていました」(演劇ライター)
知る人ぞ知る“モテ男”だったのである。
田中は18日夜、囲み取材に応じ、仲間について「性格はいいし、素朴な面もいっぱいある。そこが大好き」と幸せそうにのろけた。
婚姻届は同日朝、田中が1人で提出。1年ほど前にプロポーズし、すでに同居しているという。
仲間は今後について、
「公私にわたり1+1が2以上の結果を残せるよう精進して参ります」
と、女優を続けていくことを宣言。2人の仕事の都合により、今後、会見や挙式、披露宴などは予定していないという。
「仲間は10月からTBS系で新たに主演の連続ドラマも始まるし、年末の紅白歌合戦では司会候補に名前があがっている。少なくとも年内いっぱいは忙しそうです」(前出の芸能関係者)
新婚生活も仕事も、“まるっと”お幸せに!
(本誌・小泉耕平)
※週刊朝日 2014年10月3日号