「本当に女性5人を入閣させたのには驚いたけど、もっと驚いたのは塩崎。これだけ適齢期組がいるのに、なんでまた“お友達”を入閣させるのか」
当選6回の入閣適齢期ながら、あえなく漏れてしまったある自民党衆院議員は、怒りをあらわにした。
オトコの嫉妬だってこわい。初入閣を待ちわびた約60人のベテラン男性議員の中で、入閣できたのは竹下亘復興相(67)や山口俊一沖縄・北方相(64)らわずか5人。漏れた50人以上の怒りの矛先は、首相と塩崎恭久厚生労働相(63)に向かう。
「塩崎さんは安倍さんと当選同期。経済政策に明るいこともあって、第1次安倍政権で官房長官に抜擢されました。でも『官僚を使いこなせない』『自分で汗をかかない』など評判は散々で、政権崩壊のA級戦犯と批判された。入閣適齢期の議員には、塩崎さんより厚生労働行政に詳しい人がいるのに、なぜ彼らが選ばれないのか。みなカンカンですよ」(前出の衆院議員)
そんな嫉妬が渦巻いていても、当の塩崎氏はどこ吹く風だ。
「入閣当日は朝から表情が緩みっぱなしで、記者のぶら下がり取材に何度も応じていました。安倍首相から直接電話があり、『改革に邁進(まいしん)してほしい』と激励されたことも、自ら披露。とにかく再チャレンジできることがうれしいのでしょう。今年に入ってから年金積立金管理運用独立行政法人改革の私案を作っては、首相に提案した。株価を上げたい首相が私案にくいつき、『また一緒にやろう』ということになった」(担当記者)
そんな塩崎氏にひと泡吹かせようと、入閣を果たせなかった一部の議員の間で、ある“秘策”が練られているという。
「塩崎さんは経済や金融には精通しているが、医療や労働分野は詳しくない。委員会で細かな質問をして、お灸(きゅう)をすえようというのです。『今から厚生労働委員会に入れないか』と党の担当者に聞いた議員もいるそうです。臨時国会で白熱したガチンコの議論が見られそう」(自民党関係者)
さてこの泥仕合、軍配はどちらに。
※週刊朝日 2014年9月19日号