本誌連載の「おすすめアプリ生活」。今週、ライターの小幡恵が推薦するのは「Paper Toss(ペーパートス)2.0」。爽快感にハマるというがどんなゲーム?
* * *
冷蔵庫から大きなポリ容器に入ったオレンジジュースを取り出して直接口をつけてママに叱られるそばかすの坊や、仕事帰りに四角い箱で中華デリをテークアウトしてアパートに帰る若い弁護士、グラノーラに牛乳をドバドバかけてボウルで食べる朝食の食卓、ピーナッツバターを塗っただけのサンドイッチを昼食用に持って出かける中学生……。
いずれも海外ドラマや映画でよく見かけるシーンだが、もうひとつ、これも日本ではあまり見かけないのが「オフィスで紙クズをゴミ箱に投げるシーン」だ。小中学校時代はともかく、日本のオフィスではあまり見かけないのでは?
「いい年をして、行儀悪い」と思うのか、オフィスにはほぼひとりずつゴミ箱があるから投げる必要がないのか、日本人はあまりゴミを投げない気がする。
しかし、映画やドラマを見る限り、欧米人は投げる投げる! バスケットが上手な人が多いからか、はずれても気にしない人が多いのかは謎だが、ともかくやたらに投げている気がする。
この「ゴミ箱シュート」、決まれば確かに爽快だ。はずれると予想以上に凹(へこ)むのが難点だが、「爽快感」だけを楽しめるのがこのアホなアプリ。
ルールは簡単。たんにゴミ箱めがけて手前の紙クズを指でスライドさせてはじくだけだ。ただし、いずれのシーンも左右に扇風機が登場するため、風の強さと向きを計算に入れて投げる方向を調節する必要がある。
どのシーンも情景にあわせた効果音が流れ、シュートが決まれば拍手と喝采、はずれるとブーイングとガッカリのため息が。
ただそれだけのゲームなのだが、入ったときのカコン、という効果音が意外なほどに気分いい。そしてなにより、外れても拾いにいかなくてすむのでストレスゼロ。ちょっとした暇つぶしには最適の名作ゲームです。
※ 週刊朝日 2014年9月12日号