ホリエモンこと堀江貴文氏が、ニュースをピックアップする本誌連載。今週はITや予備校事業と話題のビジネス情報にコメントした。
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■「赤いアップル」小米が半日で500万台を売る
小米は「シャオミー」と発音する中国のスマートフォンメーカーだ。創業は2010年。昨年の売り上げは5千億円を超えている。創業してたったの3年半で、である。
他のスマートフォンメーカーと大きく違うところは、中国版ミニブログサービス「微博(weibo)」などのソーシャルメディアを用いて約5分で5万台を売り尽くすという、驚異的に効率のよいビジネスモデルを構築しているところだ。
OSはアンドロイドを徹底的にカスタマイズして作られていて、使い勝手が優れている。これまでスマートフォンアプリの世界では、爆発的にダウンロードされて使われるということはあったが、ハードウェアでこれだけの売り上げを上げるのは驚異的である。
アップルをはじめとするスマートフォンメーカーはファブレスといって自社工場を持たず設計に特化して、製造はファウンドリーと呼ばれる、例えば台湾のフォックスコンに代表されるような製造専門メーカーに任せるのが普通だし、小米ももちろんそうしているが、ショップを持たずに、完全にネットだけで売っていくというのは新しい。
これからこのような業態は増えていくのではないだろうか。小米はインドにも進出するとのこと。世界展開に期待したい。
■無人機ビジネス、アメリカで参入続々
最近、全世界的にドローンと呼ばれる無人ヘリコプターの技術の発展が目覚ましく進化しつつある。
背景にはスマートフォン向けにジャイロや加速度センサーなどのセンサー類が大幅に値下がりしたことがあるだろう。これまではコスト的に見合わなかったが、それなりに売れるくらいの値段で販売できるようになったことが大きい。
そのため世界中でいろいろなメーカーが新しいサービスをリリースするようになってきた。例えばネット通販大手のアマゾンに代表される企業が物流を無人機にやらせて直接消費者のところへ届けるというサービスを計画していたり、規制が入る前に実際に宅配を手がけたりする業者もいる。
その辺のルール作りが速いのがアメリカの真骨頂。新産業になると思うと当局側の動きも速いのである。早晩、免許制で商業利用が認められる見通しで、まさに「空の産業革命」といえるような大きな動きが出てくるだろう。
■代ゼミが不動産会社に?
少子化で大学全入時代になり、予備校大手の代々木ゼミナールが大リストラを敢行して、本業が不動産業になりつつあるという。
私が大学生のときはいわゆる受験戦争時代。予備校ビジネスはピークを迎えていた。しかし受験生は減り続け、一部の難関校を除いて、ヘタすると無試験でも入れる時代へ突入している。
それに合わせて本業をシフトしていくというのは当然といえば当然のことだろう。他の受験産業も時代に合わせてビジネスモデルを変えていかないと生き残りは難しいのではないだろうか。
※週刊朝日 2014年9月12日号