「ゆとり世代」最後の2014年入試は、浪人を回避する生徒が増えたため、ここしばらく続く「現役志向」がより強くなった。
「東大合格者が多い進学校では、例年どおり第1志望の大学を受ける生徒が多かったのですが、それ以外では安全志向が見られました」(駿台予備学校情報センターの石原賢一センター長)
本誌は全国の高校に、現役合格者が実際にどの大学に進んだかをアンケートし、国公立大、東大の現役進学率が高い高校を下記のランキングにした。
まず国公立大。現役進学率上位校はすべて地方の公立高校だった。大学通信のゼネラルマネージャー・安田賢治氏は、こう分析する。
「地方のトップ校は難関大志望者が多いため、地元の国公立大志望者が多い、地方の2番手クラスの学校がランクインしています」
トップは、昨年もトップだった諫早(長崎)。昨年の71.6%からさらに上昇した73.2%で、全国で唯一、卒業生の7割以上が現役で国公立大に進んだ。長崎大42人、九州大18人など九州の大学が多いが、京大へも5人進学。進路主任の松尾英隆教諭は、こう話す。
「生徒も保護者も、現役志向、地元の国公立大志向が強い。その希望に応えるため、高3で年に4回、志望校検討会を実施し、その前後に生徒と面談します」