(※イメージ)
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 日本人間ドック学会などが発表した「新たな健診の基本検査の基準範囲」。血圧については、基準範囲の上の値が147mmHgとされた。「高血圧治療ガイドライン2014」では、140 mmHg以上が高血圧の診断基準なのだが、今回の発表で7mmHg高くても問題ないと勘違いした患者が治療をやめるという事態になった。この騒動でわかったのは、治療中の患者を含め、われわれの多くが高血圧を理解していない、ということ。専門家に高血圧の「常識」について聞いてみた。

 一般的に、降圧薬というと「飲み始めたら、一生飲み続けなければならない薬」という印象がある。

 ところが、今回取材した医師のほとんどが、「薬は飲み続けなくてもいい」と答え、また、実際に「薬をやめられた患者もいる」と話した。いずれも、減塩や減量、運動など生活習慣の改善で降圧がうまくいったケースだという。

 いったいどれくらいの患者がやめられるのか。この問いかけに自治医科大学病院循環器内科主任教授の苅尾七臣(かずおみ)医師は、「これまでの経験からすると、患者さんの20人に1人ぐらい」と答える。

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