文筆家でありながら、女性のセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」の代表も務める北原みのり氏。漫画家の小林よしのり氏に反論されたという。
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先日、日本で最も売れてるアダルトグッズは幼女の性器を模したグッズ(ロリコンオナホ)、と記したところ、小林よしのり氏が自身のブログで猛反対されていた。
「そんなもん誰が買うか! わしの知人の誰もアダルトグッズなんか買ってないし、0.00000001%の特殊な日本男性を普遍化するのはアホとしか言いようがない」
よしりんの計算によれば、この国でロリコンオナホを買うのは、0.005人。そんな世界に、私も生きたいよ……と思い、きちんと計算することにした。
オナホメーカーや業者仲間に話を聞いたところ、今、日本のアダルトグッズ業界売り上げの7割は、オナホ。そしてオナホは約300億円市場と言われている。単価千~3千円なので間を取って2千円にして単純計算すると、年間1500万個のオナホが売れていることになる。で、成人男性が5千万人としたら……。7割の男性が、オナホを買ったことはないのだ。リピーターを考えると、割合はもっと増える。
よしりんが、「わしの知人の誰もアダルトグッズなんか買ってない」というのは、まあ、ある程度説得力があるのねぇ、とは思う。3割の男のために、ロリコン扱いされたくないわよね。でも……3割って、ぜんぜん、少なくないっすよ。
さらに私は、よしりんが「誰もアダルトグッズなんか買ってない」と言い切ったことが気になったので、これも聞いてみた。
「アダルトグッズを使ってるって、友だちに言う?」
彼らはエンドユーザーの声などを紹介してくれたのだが、基本的には「彼女とバイブを買った」話はしても、幼女系のオナホに関しては「まず言わ(え)ない」とのこと。男の人も、恥ずかしいんだね……。
業界人たちは、数字を見ているので、この国のロリコン化の現実を、最も間近でやばい……と感じている。ロリコンオナホばかりがこれ以上売り上げを伸ばさないため、いったい何ができるかを考えなくちゃね、なことを、今回、業界の人たちとも話せる機会になった。そういう意味で、よしりん、ありがとう。
※週刊朝日 2014年3月28日号