今年1月に64歳で亡くなったタレントで歌手のやしきたかじんさんのお別れの会が3月3日、大阪市内のホテルで開かれた。
昼間の部は、祭壇でたかじんさんが熱唱する映像の流れる中、約3700人のファンが献花に訪れた。夜の部には、安藤忠雄氏、秋元康氏など、たかじんさんとゆかりのあった著名人ら500人が駆けつけ、最後のお別れをした。
実はこの会で、ある“騒動”が勃発していた。
お別れの会は在阪民放5局などが実行委員会を結成して実現したが、なぜか夜の部は会場内取材がNG。報道陣はロビーで出席者に様子を尋ねるしかなかった。テレビ局主催で、異例の取材規制……。それにはこんなワケがあったという。
「実質的に会を仕切ったのは、昨秋にたかじんさんと結婚した妻のさくらさん。取材拒否はさくらさんの要望です。理由は、マスコミに顔を撮影されるのが嫌だというものでした」(実行委員会関係者)
これだけではない。
「当初はたかじんさんのお母さんを始め、親族も会場に入れないことになっていたそうです」(同)
これに対して、親族の一人はこう憤る。
「私たちは最初、お別れの会があることすら知らなかった。死に目にもあえず、その後に連絡すらない。遺骨がどうなってるのかと聞いても、返事もくれないのです。さくらさんは、たかじんに関する“すべての権利”を独占したいのでしょう。とにかく私たち親族を遠ざけようとするのです」
関係者が間に入ってさくらさんを説得したため、実母や親族は参加できたが、会の最後にハプニングが起こった。さくらさんが、たかじんさんが生前したためていた手紙を読み、思い出を語り始めたそのとき、
「何を言うんよ!」
「とんでもない!」
と声を荒らげる女性がいた。たかじんさんの実母だったという。
「キレイごとを言うさくらさんに我慢ならず、黙っていられなくなったようです。母は死に目にあえなかったことで、いまも涙にくれています」(前出の親族)
前出の実行委員会関係者も、こう嘆く。
「さくらさんは、たかじんさんと親しかった人たちも遠ざける。会に招かれなかった人たちで『しのぶ会』をやったほどです」
やっぱ好きやねん。愛する人同士の対立を、たかじんさんが望んでいるはずがない。
※週刊朝日 2014年3月21日号