年末年始ジャカルタを訪問したライブドアの元社長・堀江貴文氏は、人口2億4千万人という一大マーケットのインドネシアにビジネスの可能性を感じたという。
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年末年始のお休みを利用して、たったの2泊3日だったが、インドネシアのジャカルタを訪問してきた。赤道直下の真夏の国だ。ビンタン島には行ったことはあるが、ジャカルタは初めてだ。
バンコクからタイ国際航空でジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に降り立った。都心部への渋滞がひどいのは公共交通機関が発達していない東南アジアの国々はどこも同じだ。とはいえ道路インフラは他の国と比べて、わりと整備されている印象。数年後には建設中の地下鉄が開通するらしい。
ホテルの警備は厳重で、自動小銃を抱えた警備員がホテルの入り口の鉄柵の横に待ち構え、ときには警備犬とともに車両のチェックをする。エントランスにも金属探知機が設置されていて、テロ対策がしっかりとなされている印象だ。
食事は辛めのインドネシア料理。無数の島々から成るインドネシアはニューギニア島からビンタン島まで食文化も様々でいろいろと楽しむことができる。サンバルとよばれる調味料群が大抵は料理と一緒についてくるので、それにつけながら手づかみで食べるのがインドネシア流。手づかみで食べていると、いつもよりうまい気がするから面白い。
スマートフォンは日本以上に普及している印象だ。クレジットカードの普及率が低いのであまり課金ユーザは多くないらしいが、フェイスブックをはじめ、LINEやカカオトークなどのメッセンジャーアプリの使用率も高い。
元々はブラックベリーという携帯端末が普及していたこともあってWhatsAppというシンプルなメッセンジャーが今のところは普及率1位らしいが、そのうちLINEやカカオトークなどの第2世代のメッセンジャーアプリに世代交代することだろう。そんなこともあってネット企業が大変に元気だったのが印象的だった。まるで日本の90年代末のネットバブルのような様相だ。なにせ人口が2億4千万人と東南アジアでも桁違いに多いし、人口密度も高い。経済発展が進めば、一大マーケットになることは想像に難くない。
また親日的でもあるので、楽天グループやサイバーエージェントグループ、GMOグループなどのインターネット企業たちがこぞって進出している。もちろんECサイトなどは赤字なのだが、将来の成長性を見込んで多額の投資がされているのである。私もライブドア時代、タイのバンコクに合弁会社を作っていたが、その頃に比べたら何と恵まれた環境だろうと感じる。どんなビジネスでもうまくいくような気がするのである。
さて、ジャカルタではJKT48の劇場公演も見てきた。実はAKB48グループの劇場公演を見るのは何と8年ぶり。日本と変わらぬ大盛り上がりで、見事にフォーマットの輸出に成功したなと感慨深かった。このフォーマットは東南アジアのどこへでも輸出できるんじゃないかと、インドネシアで人気のアイドルグループを見ていて思った。こういうカワイイ系のアイドルのクオリティーは日本が世界でもトップクラスだね。
※週刊朝日 2014年1月24日号